関西の秘境と言って外せないのが、この芦生の森である。
京都府と福井県の県境。
かやぶきの里として有名な美山のさらに奥に
手つかずの原生林が広がっている。
実はこの場所、昔から京大の演習林として
立ち入りが制限されていたため、
人の手がほとんど入っていないのである。
また、多数の自然の動物が生息しており、
ツキノワグマをはじめ、カモシカ、ニホンジカ、
ニホンザル、イノシシ、タヌキ、キツネ、アナグマ、ノウサギなどの
棲息が確認されているらしい。
そんな出会い期待も抱きつつ、芦生の森に芦を踏み入れた。

ここがスタート地点となる芦生研究林事務所。
入林するにはこの近くのポストにある許可書に
名前や住所を記入しなければならない。

さて、芦生の森と言っても広大な面積がり、
ルートもいくつか存在している。
今回は初めての芦生デビューと言うこともあり、
初心者向けコースのトロッコ道ルートを進むことにした。
このトロッコの軌道は今は使われていないのかと思っていたが、
途中までは人の移動や荷物の運搬に使われており、
帰り道に数名の人を乗せたトロッコに追い抜かれた。
歩きに毛が生えた程度のスピードだったが…。

このトロッコ道は、人の手が入っているため
原生林の雰囲気は少ないが、
由良川の側を通っており、川のせせらぎと、
木々の間から差し込む木漏れ日が心地よい。
いや〜、これは原生林探検ではなく、
ハイキング気分だなぁ〜とのんびりしていると、

突然目の前の道が崖崩れによってふさがれている光景が
飛び込んできた。
やはりこれぐらいの障害がないと、ワクワクドキドキがない。
少し崖下に回り込みながら、このポイントを乗り越えていく。

さて、次のポイントはこの苔むした橋。
このルートは由良川の作り出した谷間を通っていく道で、
鬱蒼と茂る木々と相まって陽の光が届きにくい。
そのため、至る所に苔に包まれた岩や倒木を発見することができる。
苔の生えた橋は、当然滑りやすくなっており、
注意が必要である。
こういう橋が何ヶ所もあり、
そのうちのいくつかは朽ちてしまっており、
今回のルートも途中で橋がとぎれてしまい、
これ以上の探検を断念せざるを得なくなってしまうことになる。

1時間ほど歩いていくと、次第に原生林の面影が見えだしてくる。

トロッコのレールも次第に埋もれていき、
自然のまま木々が周りを覆いだしてくる。

なかなか原生林の雰囲気を醸し出してくる場所になってきたが、
今回の探検はここまで。
このルートでは1時間半ぐらい歩いたところで
道が崩れてしまっており、それ以上進むことができなかった。
あとで調べたのだが、まだこのあたりは本当の天然林ではなく、
一度伐採された場所が自然林として再生した
二次林と呼ばれる場所らしい。
戦後過ぎてからと言うことだから、50年ちょっとだろうか。
それでこれだけの森ができるのだから、やっぱり自然の力は偉大だ。
本当の原生林に踏み込むには、
もっとしっかりした装備を整え、
さらに奥へ進む必要がある。
いまだ見ぬブナの大杉や渓畔林、秘境の滝が眠っているが、
それは本格的なハイカーとして成長した後の楽しみとして
取っておくことにしよう。
この後の帰り道、由良川の河畔に降りてみた。
誰もいない谷間の川は静かで美しい。
その時のレビューは………
次回に続く!