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絵画のような物語 ~奇絶峡~
- 2007/07/08(Sun) -
今日の秘境探検レビューは和歌山県田辺市の奇絶峡。
この一風変わった名前の渓谷は、
大小様々な奇岩が転がる事から名付けられたものと思われる。
県道沿いすぐの所にあるので、たどり着くのは簡単である。

小さな駐車場に車を停めて、奇絶峡へと降り立った。
一本のススキ

確かに、大きな岩がごろごろと転がる渓谷ではあるが、
隣に道路が走っているので、あまり風情があるとは言えない。
ただ、訪れたのが日も傾き始めた夕方前だったので、
空から柔らかな日差しが差し込み、
清流がキラキラ光る様は、とても心地良かった。
赤い橋

ここには赤い橋が架かっている。
歴史を感じさせる橋だが、わりときれいな橋なので
作られたのはわりと新しいのだろう。
その赤い橋を渡りきると、滝が見えてくる。
不動滝と言うそうだ。

実はこの奇絶峡探検は、地図に載っていた名前に惹かれて
出かけて行ったのだが、
あまり調べていなかったので、この滝の存在は知らなかった。
さほど水量はないものの、渓流と先ほどの橋とマッチした
風情のある滝である。
山、川、そこに架かる橋。
日本庭園のような場所である。
昔の人は、こんな日本の自然風景を切り取って
自分の庭に持ってきたかったのではないだろうか。


上から滝を見下ろす

滝の横には、上へと伸びる道がついており、
滝を見下ろすところまで行くことができる。
上から滝を見下ろすのもなかなか。

さらに上へと道が続いているが、何かあるのだろうか。
日も落ちかけていたが、なんとなく行けるところまで
進んでいこうと思った。

実はここからが秘境探検。
滝の音が遠くに聞こえ、さらに音も届かない場所へと
どんどん登っていく。
途中、かなり危険と思われる木の階段があった。
朽ちた階段

所々、朽ちているし、上に乗ると少しぐらつく。
もし足を踏み外そうものなら、滝のある断崖へと真っ逆さま。
すこし緊張しながら進んでいく。

そうして、少しあたりが開けたところに出て、
そろそろ頂上かと思ったその時、
目の前に巨大な石仏が現れた。
磨崖大石仏

これは、古代人が残した遺跡ではないのか。
こんな山奥の山頂付近に、誰が何のために石仏を彫ったのか。
やはり、高野山や熊野神社のある修験の地「和歌山」
きっと、霊験あらたかなこの地で修行する僧が
一心不乱に彫ったに違いない。
そう思って、近づいてみると、
なんか看板が…
「堂本印象派が残した原画を…」
なんだ、結構新しいのね…

遺跡発見かと思って、ちょっと興奮したんだけど、
実は観光地化の一端みたいなもんなのね。
これが千年以上前のものだったら、まさに秘境なんだけどね。
ただ、山頂の大岩に彫られた石仏を見上げていると
なかなか神秘的な風景ではある。


以上が奇絶峡レポートであるが、
実はこの奇絶峡の最大の魅力は、
帰りの駐車場から見る景色にあった事を発見。

個々のパーツで見ると、さほど凄い場所ではない。
渓流はそこそこ美しく、滝も風情があるし、
石仏もなかなかの迫力がある。
ただそれは、ここでなくてもあるものである。

しかし、この全景を見渡せる場所に立つと、
すばらし場所だと言うことがわかった。


奇絶峡全景

頂上には仏が座り、その足下の大岩から滝が流れ落ちる。
そして麓に架かる赤い橋。
そのすべてのパーツが組み合わさって、
絵画のような物語がそこにはある。
これこそが、この奇絶峡の魅力ではないだろうか。
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