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神の生まれた大絶壁 ~大丹倉~
- 2012/07/01(Sun) -
下北山村を南下して七色ダムを越えると、三重県の熊野市に入る。
このあたりに入ると、もう見渡す限りの山の奥深くで、
陸の孤島といった場所である。
こういう秘境巡りをしなければ来ることもなかったような場所だが、
昔の人々はそうでもなかったらしい。

電車も通らない不便な場所だが、それなりに民家が点在している。
今でこそ忘れ去られた場所のようになっているが、
古来よりこの地は神々が舞い降りた伝説が数多く存在する。


高さ300m、幅500mもある巨大な大絶壁があると聞いて、
この地へやってきた。
それは大丹倉(おおにぐら)と呼ばれ、奥深い紀伊の山の中にそびえているという。

大丹倉を下から見上げる絶景ポイントがあるのだが、
中途半端な地図でしか調べていなかったので、
看板を頼りに進んでいくと、大丹倉の上までたどり着いてしまった。

大丹倉への道

上にも登るつもりだったので、順番は逆になったが、
駐車場に車を停めて看板を頼りに進んでみる。
だが、ここはまったくの山の中で、写真で見たような大絶壁があるように思えない。
良くわからない状態で、誰もいない山中を進むのは不安だったが、
とりあえず徒歩5分という標示を信じて進んでみる。

この岩を登っていく

確かに5分ほどで岩肌の見える場所にたどり着いた。
この後ろには高倉剱大明神が祀られており、
確かにこの岩場が神聖なものとして扱われているのがわかる。

とりあえず不安なまま、この岩場を登ってみることにした。


せり出す岩

うわ…。
突然広がる大絶景に驚いた。
大岩はそのまま空に向かって広がっている。

高い

見下ろすとはるか下に谷が見える。
大台ヶ原の大蛇ぐらも相当な大絶壁だが、
ここは柵もなく、訪れる人もいない。
上にあがったときの高度感はこちらの方が上かもしれない。

広い岩場

かなり広い岩場で、20人くらい弁当を広げて食べれるぐらいはありそうだ。

一歩先は奈落の底

一歩先は奈落の底。
岩の上にたっていると空を飛んでいるかのような浮遊感がある。

この地は神聖な地として修験の行場としても使われたようだが、
確かにそれもわかる気がする。
大きな自然の力を感じる場所でもあり、
自然の恐れを感じる場所でもある。
それを乗り越えることで、神聖な力を得ることができると
考えられていたのだろう。


丹倉神社

帰りに気になっていた丹倉神社(あかぐらじんじゃ)にも立ち寄ってみた。
大丹倉の上に登る途中の林道脇にあった神社だ。

車を停めるところもほとんどなく、道の脇ぎりぎりに寄せて停めて、
神社へ向かう階段を降りる。

神聖な岩

これだけ神聖な場所であるから、
ひそかに立派な社殿でもあるかと思えば、
単に大岩が祀られているだけだった。

しかし、これが古来からの原始的な信仰の形でなのあろう。
大岩と言えば、神話の時代に神が降り立ったったり、生まれたりする場所として
伝えられることが多い。
この丹倉神社で祭られている岩も、
岩肌に草や苔が覆い、大地の息吹が息づいているようだ。
人間の心臓のようという表現もできるかもしれない。

確かにここは神聖な場所という雰囲気に包まれている。


帰り道、思わぬところで大丹倉を見上げる場所を見つけることができた。
行きも通ってきた道だが、どうも後ろに見えていたらしく、
このポイントに気づかなかっただけらい。
道路上から、素晴らしい絶景が見えていた。

下からの絶景

道路脇に小さな看板と数台の駐車スペースがある。
この地の観光スポットは大体こんな感じで、
調べてこないと平気で素通りしてしまう。

滝が落ちる

突き出た大岩の中腹からは滝がおちているのが見える。
日本版、テーブルマウンテンといった趣だ。

あの岩に神様が住んでいるといわれれば、信じてしまってもおかしくない。
だからこそ、修験者はあの上に登って修行をしたのだろう。

あの上にいたのか

少し前まであの上にいたのだ。
ここからはどこにいたのか良くわからない。
神のみぞ知る。




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