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神様の居場所 ~轟九十九滝~
- 2015/11/14(Sat) -
轟九十九滝

徳島県海陽町、もしかしたら日本で最も遠い場所のひとつかもしれない。
徳島県の南東部と言えば高速道路も通っておらず、徳島市か高知市側から
延々と海岸近くの道路を通って行かなければならない。
海岸から内陸に入ると、そこは立ち入ることも難しい秘境の山。
どうろもいくつかあるのだが、酷道とも呼ばれる細い道が多く、
頻繁に土砂崩れで通行止めになる。
そんな未開な地に、神様が棲む滝がある。

順路に従って

轟九十九滝とは轟本滝を中心としたいくつかの滝群の総称で、
あわせて日本百選の滝にも選ばれている。
順路に従って進むと、まずは轟神社に参拝することになる。

轟神社

急な階段を登っていくと赤い鳥居があって、ここが轟神社。
ご神体は轟の滝と言うわけだ。

登って降りる

轟神社から轟の滝に向かう。
これがまた急な下り。
神社が山の中腹に造られているから、いったん山を登っていくのだが、
轟の滝は下の川にかかっているので、登った分をまた降りなければならない。
まあ、神様に会うためには多少の苦労はつきものか。
少し天候が悪くなってきたので、大きく天候が崩れる前に急がねば。

降りると鳥居

坂道を降り川沿いまで戻ってくると、目の前にはまた鳥居が。
鳥居の奥には岩の割れ目が。
恐らくそこに滝が落ちているのだろう。
鳥居から先は神域と言うことだろう。

轟本滝神社

鳥居には轟本滝神社の文字。
ここも神社扱いなのか。
鳥居の先には岩の割れ目から白い飛沫がもうもうと漂い、
まさに神様が現れる前兆のよう。

あらぶる魂を閉じ込めた

荒ぶる魂を閉じ込めた場所という感じだろうか。
確かに目の前の岩の裂け目には何かが封じられたような雰囲気がある。
何かが封じられるのはいつも大地の中。

滝奥から冷気が

滝に近づくと奥から冷気が立ち込めてきて、ぐっと気温が下がる。
細く深い谷に水が落ちるため、一緒に落ちてくる空気が逃げ場をなくして、
こちらの出口に出てくるのだろう。
水蒸気を含んだ冷たい風が常に吹き出してくる。

神秘的

進めるところまで進んだのだが、これ以上は水に入らない限り進むことはできない。
谷の奥、手の届かないところに飛沫に霞みながら轟の滝が見える。
日本各地の滝が神社のご神体になっているのだが、
もっとも神的とも言えるのが、この轟の滝かもしれない。

奥が霞む

なにせ常に奥から冷気が流れてきて、
それが霊気のように感じるからだ。

小雨が断続的に降るような悪天候なのが幸いして、
数人しか居れないような狭い滝見スペースでゆっくりすることができた。
谷間に響き渡る滝の轟音のせいで、後ろに人がいようがまったく気づかない。
神様と1対1で向き合うような、ちょっと違う世界に入り込んだような場所だった。

急坂の滝巡り

轟九十九滝のメインは先ほどの轟の滝なのだが、
せっかくなので別の滝群も天気が許す限り巡って行きたい。
が、滝が連続するだけあって、最初からこの急階段。
まあ、先ほどの轟の滝の上に出ないといけないので当然ではあるのだが。

二重滝

轟九十九滝巡りの最初はこの二重滝。
文字通り滝の流れが二つに分かれて落ちる滝だ。

横見滝

続いて横見滝。
横から見るから横見滝?
深い淵が少し怖い。

舟形滝

次は舟形の滝。
これも文字通り船のような形をした滝である。
岩盤を水が深く削って滝状になった感じ。

丸渕の滝

次は丸渕の滝。
滝の流れ方が美しい。
最初の看板によるとここが中間地点ぐらいだろうか。


鳥返の滝

100mごとぐらいに滝が続く。
常に上り坂で滝で止まりながらなので、
ペースがつかめず思いのほか疲れる。
これは鳥返の滝。
轟九十九滝群のなかでは滝らしいといった感じだ。
滝前の滝壺も広く、水も透き通っていて綺麗だ。
ちょっと曇り空で暗いので良く分からないかもしれないが、
光が差し込むとエメラルドグリーンになるかもしれない。

あといくつか滝はあるのだが、ちょっと小雨が降ってきたので
ここで引き返すことにする。
最初に轟本滝があって、それが圧倒的に凄いために
他の滝がいまいち物足りなく感じてしまう。
最後に轟本滝があれば途中の滝群も素晴らしく見えるはず。
水も環境も綺麗で良い滝なんだけど。



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造られた秘境 ~かずら橋~
- 2014/06/28(Sat) -
小便小僧

祖谷渓まで行ってきた。
著名な小便小僧を眺めつつ、目的地はかずら橋。
祖谷の秘境にかかるかずら橋でスリルを味わおうと言うもの。

祖谷渓を徳島県の北側から車を走らせていると、ほんとに秘境にやってきたという感がある。
恐ろしく深い渓谷。
そしてはるか底に一瞬見えるグリーンの美しい水。
ほんとによくこんな場所に道路を造ったものだと関心する。
道路は細いので対向車が来るたびに冷や冷やするが、
この道路がなければこれだけの景観を見ることは不可能だと思えば、
道路の細さは許容範囲だ。

駐車場

さて、祖谷渓を抜けてかずら橋の駐車場へ到着。
想定外の巨大で近代的な駐車場でびっくりする。
これまでの道のりはほとんど山奥の道で民家すらほとんど見かけないので、
突然現れた駐車場には違和感を感じる。

土産屋を通りぬけ

駐車場に車を停め、かずら橋に向かうにはこの建物の中を通り抜ける必要がある。
この建物はいわゆるおみやげ屋さん。
徳島をはじめ、高知県の土産など四国の物産が並ぶ。
充実したラインナップだ。
建物も新しく綺麗で、古くから伝統ある工法で造られてきたかずら橋からはほど遠いイメージ。
土産屋を通らなければならないと言うのも、
商売上手と言うべきか、風情がないと言うべきか・・・
すっかり観光地になっている。

橋の向こうに橋

土産屋を抜けて川沿いの道を進めばかずら橋にたどり着くのだが、
見えているのはコンクリートの立派な橋。
あれ、かずら橋は?
よく見てみると、コンクリートの橋の向こうにツタが絡まった吊橋の様な物が。
まさか・・・

橋を渡って橋を渡る

コンクリートの橋までやってきた。
かずら橋へ行くにはまずこの橋を渡らなければならないようだ。
橋を渡るためにわざわざ手前の橋で対岸に渡らなければならない。
これってどうなんだ・・・

水が綺麗

橋を渡っていると眼下にかずら橋が見える。
なるほど、かずら橋を一方通行にするためにわざわざ手前の橋を渡らせられるのか。
それにしても水の透明度が素晴らしい。
その美しい川と渓谷の緑とかずら橋の景観が見事にマッチしていて、
とても素晴らしい風景だ。

橋の上から撮った写真

よく観光写真に使われるこのアングルからの写真も、
コンクリートの橋の上から撮られていたとは。
たしかに美しい写真は撮れるのだが、ここまで割り切った観光地にしてしまうのも
どうかと思う。

大賑わい

かずら橋の渡り口まで到着。
橋を渡るのはもちろん有料。
短い橋を渡るだけで500円取られます。
まあ、これだけの観光地にしてしまってお金をかけているのだから、
お金を取られるのは当然ではある。

かずらです

かずら橋は耐久性が乏しいので、3年に1回架け替えを行っている。
一応ワイヤーも使って補強はしているようだが、見える範囲では自然のかずらで
できているようにみえる。

隙間が

お金も払ったことだし、いざかずら橋へ。

一歩踏み出すと、これが予想以上に揺れる。
しかも足場の隙間が大きい。
雑な造りというか、自然の木をつかっているからか、
隙間の間隔もまちまちで、足を踏み外せば隙間にはまってしまうぐらいだ。
そして観光客が次々にやってくるので、橋の上は揺れる揺れる。
予想外の揺れがくるので、これがまた緊張を強いられ、かなり怖い。
吊橋としてはさほどの高さがないのだが、
隙間が広いので、実際の高さ以上の高度感を感じる。

渡っている当人はどきどき緊張しながら冷や汗を流しているのだが、
下に見える川は相変わらず透明度の高い美しい水が流れている。
なんとも憎たらしいほどの美しさだ。

続々と

かずら橋には次々と人がやってくる。
徳島県でも屈指の観光地だけあって、人がとぎれることがない。
かずら橋を越えた場所からは河原に降りることもでき、水遊びもできる。
近くには琵琶の滝もあって、見所も満載だ。
かずら橋もスリル満点で楽しめる。

だけど、この何か違う感は何だろう。
秘境の橋が売りのかずら橋。
確かに立地てきには秘境のなかの秘境と言うほど山奥なのだが、
これだけあからさまに観光地化されてしまうと、
造られた秘境と思わずにはいられない。


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